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ブランドの価値 その1

更新日:2020年4月18日




2020S/S LOVE FREEDOM をもちまして、TISSU ROUGEも5度目のシーズンを迎えました。

今回は、一介のフリーランスカメラマンという全くの門外漢である私が、ファッションブランドというものに関わってきた感想を書こうと思います。


きっかけは2017年、アパレル勤務だった妻が独立することになり、もともと個人事業主であった私の別事業として個人ブランドを立ち上げる体を取ったことに端を発します。

以前から『デザイン』と名の付くものには興味を持っておりましたので、妻がデザインをしていくのを大変に楽しく見ております。


ブランドを立ち上げるに際してやはり必要になってくるのは『ブランド名』。

前々から戯れに『どんな名前がいいだろうねぇ』などという話はしていましたが、いざ本格的に考え始めるとなかなかに決まらない…語呂はどうだろう?どんな意味の言葉にする?何語がいいんだろう?などなど、湧いては消えの繰り返し。


『そもそもどんなブランドにしたいんだろう』そんな原点に立ち返り考えた結果、華やかさからくるイメージの赤とテキスタイルにこだわりたいという意味合いから『赤い布』とし、ファッションの最先端であるパリでも通用させたいという夢からフランス語の表現としました。

そうして決まったのが『TISSU ROUGE』というブランド名でした。



そうと決まればいよいよデザインに取り掛かります。

もともとコムデギャルソンの好きな妻。そして、やるからには他はない唯一のものを作りたいということで、時流に逆らうことは承知の上で『引き算の美学』ではなく『足し算のデザイン』の方向で進めることとしました。

いわゆる『トレンド』を追わないという決断ですから難しい道のりであることは容易に想像がつきましたが、トレンドラインのブランドが星の数ほどある現代では、同じ道を進むのではやる意味を見出せませんでした。

そうして出来上がったのがTISSU ROUGEの1st Collection『Full Bloom』です。

私の撮った花の写真を『これでもかっ!』というほどの枚数を使用し構成した柄をプリントした生地と、なんども書き直したデザインは、今見ても最初のコレクションにふさわしいものになったと自負しています。が、同時に初物ならではの物足りなさも感じています。


その後、2nd Collection『Check!Check!!Check!!!』、3rd Collection『Inexact』へと続いていきます。

さすがに現れたばかりの名も知らぬ新興ブランド、少量生産で価格も高く、しかも受注生産で納期に時間がかかるとくれば売り上げなどは伸びるはずもありません。

まずは種を蒔くこと、この一点を心がけてきました。

そうしてシーズンが進むにつれて、デザインもこなれ、徐々に知られるようになると、ある一つの疑問が湧いてきました。

人は何をもって購入に至るのだろう…。


その2へ続く。


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