その4からの続き
私たち夫婦はデザインの好みがかなり違います。
妻は感覚派で全体の印象を重視、私はどちらかと言えば理論派で細部にこだわりたいタイプ、デザインの重心位置の好みが妻は下重心、私は上重心と、合わない部分のなんと多いこと!意見をぶつけ合いながらデザインを決めています。
実は、ここがとても重要だと捉えています。
商業でのデザインに不可欠な『客観性』です。
一人で自身を客観視することができる人も多くいますが、別の者からの意見の方がより信ぴょう性が増すと思います。
また、一人では気づかない部分が見えてきたり、アイデアが出てきたりもします。
そして、最終的にはデザイナーの意見を尊重できる位置に落とし込みます。ここが崩れるとブランドの『芯(コア)』がぶれることになりかねません。それだけは絶対に避けなければなりません。
ブランドを左右するデザインの『芯(コア)』は最初(ブランド立ち上げ)が肝心、そして継続し積み重ねていくことが更に重要だと思っています。ここさえぶれなければ、やがて大木の幹となり、その枝を作っていくことができるからです。幹がしっかりしてさえいれば、枝は制約にとらわれなくとも自然とブランドの枠に収まり、またその枠を広げてくれるようになります。
一つだけ制約があるとすれば、枝は常に幹から伸びなければならない、幹と繋がっていなければならないということ。ここが外れてしまえば枝ではなくなり、新芽になりかねず、そうなればまた一から構築し直さなければならなくなります。
なので、デザイナーが『芯(コア)』を持ったデザインを続けることがブランドにとって最も重要な部分を占めていると思っています。そうすればTISSU ROUGEのどの服を見ても『TISSU ROUGEの服』とわかってもらえるようになるはずです。
そしてその『芯(コア)』は、自分では意外に見えないことが多いものです。なので『客観視』が必要になってくるのです。
その6へ続く
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